於:ギャラリー器館1F
ブレイクスルーという言葉は、なにか俄かに状況がよいほうへ変わるとか、長年の問題が解決するとか、そういったときに使うようです。多分に直感的なもので、目の前がパッと明るくなるような気持ちになるのだと思います。そのような瞬間は待ち受けモードではやって来ないでしょう。なにかに集中して工夫や選択を、悩ましくとも継続してやっている人のみが享受できる僥倖なのだと思います。
やきものの世界では昔は賃挽きといって、ロクロ専門の職人が、日に千単位の仕事をこなしたそうです。本展の七理摩弓さんは、ひょんなことからマグカップの請け仕事をやることになり、それも一度に二百三百と来るそうで、いまどきめずらしいことですが、かねがね根性ものだと感服していました。だんだん名人になっていくのじゃないかと、そして繰り返しとトランス状態のなかで、ふっと彼女が内奥か上からの声に気付き、逸脱と遊びの境地に入っていくのじゃないかという期待がふくらみ、今回、弊館1Fコーナーの小展ながら、マグに特化してお願いする顛末となりました。マグカップはえり好みしていただければ、日常のお供ともなり得るアイテムと存じます。何卒のご清賞をよろしくお願い申上げます。-葎-
1985年 兵庫県生まれ
2003年 京都造形芸術大学 入学
2005年 グループ展 ~ 土源卵色 ~ ギャラリーヤマモト
2007年 京都造形芸術大学 卒業卒業制作展 学長賞
2008年 グループ展 ~イチネンゴテン~ 空 鍵屋
2010年 京都工芸ビエンナーレ 入選
2011年 グループ展 トリコロール ~3 人のきまぐれ~
2011年 グループ展 女流作家陶芸展 西宮阪急四階催事場
2012年 しちりまゆみ展 epokhe cafe
2016年 ひびのうつわ展 ギャラリー器館
2017年 二人展 大丸京都店 美術工芸売場
2019年 二人展 大丸京都店 6F 美術工芸売場
2024年 マグ爛漫展 ギャラリー器館